お見舞いのお返しは患者が亡くなった時も準備が必要なのでしょうか?

入院中にお見舞いに来た人から見舞い品をもらったことがある人や、逆に見舞い品を渡したことがある人は多くいるかと思います。

通常であれば退院後に患者側からお返しをするのが礼儀ですが、もし患者が治療の甲斐無く、亡くなってしまった場合、お返しをするべきかどうか悩むポイントとなります。

今回はお見舞いのお返しは患者が亡くなった時も準備が必要かどうか、お返しの相場などについて解説していきます。

目次

お返しは亡くなった後も必要?

通常、お見舞いの時にもらったものに対するお返しは、退院後に行うことがマナーとされています。

「お見舞いに来てくれたおかげで元気になりました!」という報告も兼ねており、お見舞いに行った人も元気になったことを知り安心することができます。

しかし、もし患者が亡くなってしまった場合は元気になったわけではないので、お返しをするべきかどうか悩ましい状況となります。

患者が亡くなった時はお返しの準備が必要なのでしょうか?

基本的に準備は不要!

基本的に、患者が亡くなった場合にはお返しの準備は不要です。

お返しは元気になったことの報告を兼ねるので、元気になっていない状況では準備をする必要が無いのです。

特に、患者が亡くなった直後は葬儀のことなどで慌ただしくなりますので、お返しのことを急いで考えなくてもよく、またそれがマナー違反になることもありません。

ちなみにもし、退院後も通院や治療が必要な状態であれば、快気祝いとしてのお礼ではなく、お見舞いお礼としてお返しをするのが良いとされています。

葬儀に来てくれた場合はお礼状に一工夫

患者が亡くなった時にお返しは不要ですが、もしお見舞いに来てくれた人が葬儀にも参列された場合は対応に一工夫が必要です。

なぜならば、お見舞いをくれた人から続けて香典をいただくことが一般的だからです。

お見舞い品ももらい、さらに香典ももらうとなれば、お返しとして何もしないわけにはいかなくなります。

そのために活用するのは、葬儀の参列者に対するお礼状となります。

通常、葬儀のお礼状は決まった文面で参列者全員に送付することになりますが、お見舞い品をもらった人のお礼状には「お見舞いに来て下さりありがとうございました」等の言葉を付け加えておくことで、取り急ぎの対応が可能となります。

また、お返しの品は香典返しとして一纏めに渡すことができるようになります。

香典返しは葬儀後に必ず選ぶようになりますので、自然な流れの中でお返しを渡すことができるのです。

どうしてもお返しをしたい時はいつ渡す?

上記のように、患者が亡くなった時はお返しをしなくても良いのですが、中にはどうしてもお返しをしたいと思われる方もいらっしゃるかと思います。

そのような時にはお返しを渡しても構わないのですが、渡すタイミングだけは気を付けなければなりません。

一般的に、患者が亡くなった後のお返しは四十九日法要を済ませてから行うのが良いとされています。

四十九日法要より前に渡すと、まだ慌ただしく気持ちが落ち着かない中で対応することになるため、つい感情が昂って良い対応ができない可能性があります。

また、お返しを受ける側も、お返しを早くもらおうとしていると誤解される可能性もあり、意図せずとも悪い印象を他人に持たれてしまう可能性があります。

そのため、納骨を済ませ、ひとしきり状況が落ち着いた段階でお見舞いのお返しを渡すのが、渡す側も渡される側も気持ちが静まっていて良い時期となります。

その頃であれば、生前の思い出話にも花が咲き、良い時間を過ごせるようになっていることが多いです。

お返しの選び方とオススメの品

ここまでお見舞いのお返しをするべきかどうかについて解説してきました。

ここからは実際にお返しをすることにした場合、どのようなものを選べばよいのかについてお伝えしていきたいと思います。

相場はもらったお見舞い品の半額

まず、お見舞いのお返しの相場はいったいいくらなのでしょうか?

お返しの品を考えるときに気になるのは予算ですが、高すぎても受け取る側が遠慮してしまいますし、逆に安い品では心がこもってないと思われてしまいかねません。

ちょうど良い予算でお返しを考えるには、お見舞いの時にもらった品の値段がどれくらいなのかを確認することが大切です。

実際にお返しとしてふさわしい金額の相場は、お見舞いの時にもらった品の半額程度のものとされています。

なので、例えば5,000円の品物をもらった時には半額の2,500円程度のものを選べば、ちょうど良い金額となるのです。

お見舞いの時にもらった品物が何だったのか、一般価格でどれくらいなのかを事前に調べておき、金額を設定するのが良い方法と言えます。

なお、この金額基準は職場関係の人(同僚や上司、部署など)へのお返しの際に参考にしていただきたいものです。

特に、一くくりに部署へのお返しとする場合は、お見舞いの時にもらった品の半額を部署の人数分で割った金額が1人頭の金額の目安になります。

そうなると、小分けにしやすいお菓子類やタオルといったものを選ぶのが無難と言えます。

他方、親族へのお返しはやや半額より控えめにしてもかまいません。

親族へのお返しは高額すぎても遠慮してしまうだけなので、貰った品の半額~3分の1程度でも十分なのです。

もともと親族からのお見舞い品は仕事関係の人の品より高額になる傾向があるので、お返しをしやすい金額となれば上記の割合で考えると良いとされています。

のしの書き方

お返しの品が決まったら、次はのしを選ぶ必要があります。

通常のお返しであれば快気祝いとして、紅白結び切りののしが良いのですが、今回は患者が亡くなっているためふさわしくありません。

この場合ののしは上図のように、黒白の弔事用の結び切りや弔事用の包装をしてもらうのが良いとされています。

そして、のし上(結び切りの上)には「御見舞御礼」と書き、のし下(結び切りの下)に名前を書けば完成です。

なお、香典返しとお見舞いのお返しをまとめて1つのものにしようとする方がいますが、これはマナー違反です。

香典返し用とお見舞いのお返し用はそれぞれ別で用意し、分けて包装して手渡すのが正しい方法となります。

オススメは消耗品

お返しのために使う予算も決まったら、いよいよ渡すための品物を考えていくようになります。

ここで大切なポイントは、形として残らないような消耗品を送るのが良い、ということです。

お祝いごとの時にはいつまでも喜びや幸せが続くようにということで形として残るものを贈られる場合が多いのですが、今回は患者が亡くなったという不幸な状況下にあります。

このような時に形として残るようなものを渡してしまうと、不幸や悲しみを長引かせたり、繰り返させる、という意味合いとして捉えられかねません。

そのため、使うと形として残らないような、食べ物や消耗品の雑貨を贈るのがオススメです。

食べ物であれば、砂糖菓子やチョコレート、クッキーといった、口の中で溶けたり崩れたりするようなものが良いとされています。

お菓子は人を選ばない品物であるだけでなく、上記のものは不幸が「溶けて無くなる」という意味も込められており、お返しに最適なものとなっています。

同様に、石鹸や洗剤も溶けてなくなるイメージのある雑貨となりますので、こちらを選んでも良いでしょう。

また、形に残るものですが、タオルも有力な候補となっています。

タオルは水回りで用いられることが多く、悲しみや不幸を「水に流す」という意味合いがありますので、有力な候補となります。

同様に、水回りのものであれば入浴剤も選ばれることがありますね。

この他にも、お返しを贈る相手の健康を願う意味で、自然食品や昆布・鰹節などの乾物等々の健康食品を選ぶ人もいます。

他のみんなは何を送ってる?

実際にお見舞いのお返しは皆さんどのようなものを選ばれているのでしょうか?

巷の声を見てみることにしましょう。


おいしいお菓子はやはりお返しの定番とも言える品物ですね。

有名どころのお店のものであれば、気持ちもこもって良いと言えます。


こちらは逆にお返しをもらった側が困っている声です。

洗剤系は上記のように定番の品物ですが、人によっては不要と思うこともあるようです。

快気祝いでこの反応ですので、亡くなった後のお見舞いお礼も同じように思われるかもしれません。

お見舞いの品はもらう相手のことも考えて選ぶ必要がありそうです。

終わりに

今回はお見舞いのお返しは亡くなった後も準備が必要かについて解説しました。

今回お伝えした内容をまとめると以下のようになります。

  • 患者が亡くなった場合は基本的にお返しの準備は必要ありません。
  • どうしてもお返ししたい時は渡すタイミングを考えましょう。
  • お返しの品はもらった品物の半額程度で、お菓子系のものが良いとされています。

お見舞いのお返しはお見舞いをもらった人の気持ちを伝えるものとなります。

患者が亡くなった場合は家族が代わりに伝える役目となりますので、もしお返しをするのであればこの記事を参考にして良い品物を選んでみて下さい。