心臓を手術した時の費用はどれくらいになるかご存知でしょうか?

心臓の手術はとても大掛かりなもので、ほとんどの場合入院が必要となります。

心臓病はいつ誰に起こってもおかしくないので、どれくらい費用がかかるのかを知っておくのは損ではないと思います。

今回は心臓を手術した時の費用と、自己負担を軽くする制度について解説していきます。

目次

心臓の手術と入院期間

開胸手術の場合

心臓の手術は大きく分けて開胸手術カテーテル手術の2つに分けられます。

それぞれ原因となる病気やその人の状態によって、どちらの治療を採用するかが判断されます。

まずは開胸手術の場合について見ていきましょう。

開胸手術は文字通り胸部を開き、直接心臓を手術するというものです。

よく医療系のドラマで取り上げられているような、全身麻酔をかけてメスで皮膚を切り、肋骨を専用のノコギリで切って視野を広くした後に心臓にメスを入れるというものです。

手術の時間は病気や実際の心臓の状態によって大きく異なりますが、心臓を人工的に止められる時間は限られているので、手際の良さと正確な手術を行う技術が必要となっています。

術後は全身状態の変化を観察しながらリハビリを行い、早ければ数週間程度で退院が可能となります。

カテーテル手術の場合

カテーテル手術治療用カテーテルを体の別の部位から血管内に挿入し、心臓にまで動かし治療を行うというものです。

主に人体への負担が少なく、大きな血管へのアプローチがしやすい太腿や手首、上腕が挿入箇所として選ばれることがほとんどです。

カテーテル手術では主に狭くなった血管を広げる風船治療や、心臓弁置換術などカテーテルを活かした治療が行われます。

術後は問題なければ開胸手術より体への負担が軽いため、1~2週間程度で退院できるようになります。

心臓手術の費用と自己負担を軽くする制度

それでは気になる費用について見てみましょう。

開胸手術もカテーテル手術も費用負担は同じ

心臓を手術することを目的とした入院の費用は、実は開胸手術を行った場合でもカテーテル手術を行った場合でも同じです。

なぜならば、皆さんが加入している健康保険を活用することで、まず治療費自体が全体の1~3割程度にまでの支払いで済むようになります。

これは窓口に保険証を提示するだけで、保険証に記載されている負担割合までで料金を計算するようになっています。

そしてさらに、70歳未満の人は高額療養費制度を活用することで、所得に応じた上限額までの支払いで済むようになります。

また、70歳以上の人は特に手続きをしなくても自動的に所得に応じた上限額までの支払いで済むようになっているのです。

健康保険で対象となる医療費は手術代や薬代、検査費用やリハビリ代など治療に関係する部分で、入院中の食事代や差額ベッド代、電気代といったものは実費での請求となりますので注意しましょう。

制度を具体的に利用するには?

上記した制度を利用するには手続きが必要です。

高額療養費制度の活用には限度額適用認定証の発行が必要になりますので、入院が決まったり、緊急で入院することになったら早急に手続きを済ませましょう。

認定証が届いたら病院窓口へ提示することで初めて制度が利用されるようになります。

高額療養費制度の申請方法についてはこちらをチェック!

また、70歳以上の人の負担は70歳未満の人より安く設定されており、かつ限度額適用認定証の申請という手続きが不要になります。

70歳以上の人の医療費についてはこちらをチェック!

身体障害者手帳の対象の手術は更生医療の活用を!

ほとんどの手術の費用は上記した高額療養費制度の活用で上限額までの支払いで済むようになります。

これに加え、身体障害者手帳の対象になる手術を行う場合は更生医療という医療費の公費負担制度を活用できる可能性があります。

心臓の手術の場合、ペースメーカー類の移植手術と弁置換術が身体障害者手帳の取得が可能となるので、この2つが対象になります。

更生医療を利用する場合はあらかじめ住所地を管轄する市区町村役場へ身体障害者手帳と更生医療の申請をしなければなりません。

また、治療を行う医療機関が更生医療の指定医療機関になっているかどうかの確認が必要です。

指定医療機関でないと更生医療の利用ができないことになっているので気を付けましょう。

さらに、更生医療の指定をどの診療科で受けているかも影響してきます。

自身が手術を受ける予定の診療科が指定を受けている科なのかに着目しましょう。

そして、自身の所得状況によっても更生医療の利用ができない可能性があります。

更生医療での自己負担は原則1割なのですが、中間所得層(所得税非課税~30万円相当未満)は上限額が通常の高額療養費制度での限度額になり、所得税額30万円相当以上であれば高額療養費での負担割合かつ上限額となってしまうのです。

手術を受ける医療機関と自身の所得の2つを確認してから申請するようにしましょう。

終わりに

心臓の手術はとても大掛かりなものですが、きちんと手続きを済ませておけば費用面での心配は無くなります。

自身の体をしっかり治して、健康な生活を取り戻しましょう。

もし制度の申請のことで困ったりわからないことがあったりした時はMSWへ相談してみましょう。

MSWについて知りたい人はこちらをチェック!

安心した療養生活を送れるようになりましょう。