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健康保険の保険料を滞納していませんか?

保険料を滞納すると、高額な医療費が発生した時に高額療養費制度等の活用ができなくなる可能性があります。

保険料の滞納で発生するデメリットと解決策について解説していきます。

目次

保険料をなぜ滞納してしまうか?

保険の仕組み

国民皆保険と言われている日本において、私たちは何らかの健康保険に必ず加入している状況にあります。

保険の仕組みは加入者から保険料をあらかじめ集めておき、何らかの保険事故が発生した時に集めた保険料から給付が受けられるというものです。

健康保険の場合、保険事故とは医療機関受診時に発生する医療費のことを指します。

そして、給付とは窓口で支払う医療費の自己負担部分以外の金額(例:3割負担の方は残りの7割の医療費)のことであり、健康保険の場合は医療機関へ給付されています。

国民健康保険加入者は滞納の可能性に注意!

健康保険の保険料は直接加入している健康保険者へ支払うようになります。

しかし、社会保険(協会けんぽ)や組合保険等に加入している人は毎月保険料を振り込むことはしていません。

なぜならば、この場合の保険料は雇用主(事業者側)と従業員が折半して支払うことになっているからです。

そのため、ほぼすべての事業所は給料を従業員へ支払う際、あらかじめ保険料を差し引いたものを支払っています。

要するに、事業所側が先に保険料を差し引いているので、保険料を滞納するという状況が発生しないということなのです。

一方、国民健康保険に加入している人は毎月保険料を保険者へ納めなければなりません。

単純な払い忘れや、金銭的な余裕がない時に支払いを後回しにするなどといったことで、滞納が発生しやすくなってしまうのです。

つまり、保険料を滞納してしまう人は国民健康保険に加入している人であるとも言えます。

 

保険料を滞納した時のデメリット

では保険料を滞納した時にどのようなデメリットが発生するのでしょうか?

限度額適用認定証を発行してもらえなくなる

高額療養費制度では手続きを行うことで、最初から上限負担額までの支払いで済むようになる限度額適用認定証を発行してもらうことができます。

この限度額適用認定証は保険料の滞納があると原則として発行されません。

つまり、一旦医療機関の窓口で上限負担額を超えた支払いを行い、後から還付申請をする必要が出てきます。

最終的な自己負担は同じとはいえ、一時的に余分なお金を支払わないといけなくなってしまいます。

還付金を保険料納付に充てられる可能性がある

本来、高額療養費制度の還付金は申請した患者本人へ還付されます。

しかし、保険料の滞納があると、保険者の裁量によっては本人のところへ戻らず、滞納している保険料の支払いに充当されることがあります。

支払っていなかった保険料に対してお金を支払うことになるため、保険料納付の点では問題ないのですが、もし還付金をアテにしたやりくりを考えているのであれば、計算が狂ってしまうことでしょう。

滞納額が多いと保険証も使えなくなる!?

保険料の滞納額が少額であれば、きちんと納付するよう言われて済むことが多いですが、何か月・何年も保険料を滞納している場合は、健康保険証を没収されることがあります。

どうしても医療機関を受診しないといけない場合は短期間の有効期限が付いた保険証被保険者資格証明書を発行されることが多いです。

被保険者資格証明書は保険証の代わりにはなりますが、実際は医療機関で10割の支払いをした後に、保険者に申請することで保険給付分の金額を還付してもらうという状況になってしまいます。

10割の自己負担を一時的に行うのは非常に負担がかかることです。

さらには保険料の延滞金が発生する可能性もあり、余分なお金の支払いがさらに追加されることもあります。

いずれにしても、安心して医療機関へかかることができなくなってしまいます。

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保険料滞納への対策法

上記のように、保険料の滞納があると医療機関を受診する上での大きなデメリットが発生することがお分かりになったかと思います。

では、滞納しないためにどうしたらいいか、すでに滞納してしまっている人はどうしたらいいかという点に着目して、対策法を見ていきましょう。

保険料の支払いを忘れないようにする

まずは保険料の支払いを忘れないようにする方法です。

支払い能力があっても支払いそのものを忘れてしまうと元も子もありません。

自治体によっては保険料を口座から自動引き落とししてもらえるところもあります。

支払いを忘れがちな方、忙しくて支払いに行く余裕の無い方は一度市町村役場の国民健康保険担当の窓口へ問い合わせをすることをオススメします。

自動引き落としに対応している自治体であれば、払い忘れは防げるかと思います。

保険料の減免ができないか相談する

国民健康保険の保険料は他の健康保険に比べ金額が高い傾向にあります。

中には保険料が高くて支払いが難しいという方もいらっしゃることでしょう。

国民健康保険の場合、所得や経済状況に応じて保険料の減免措置を行っている自治体があります。

保険料の納付期限が来る前に市町村役場の国民健康保険担当の窓口へ相談に行き、減免措置を行っているかどうかや、減免対象となる所得かどうかを確認・相談することで、負担が軽くなる可能性があります。

保険料を滞納した時はすぐに自治体へ相談する

保険料をすでに滞納してしまった場合はすぐに市町村役場の国民健康保険担当の窓口へ相談に行きましょう。

一括での支払いが難しい場合は分割払いの相談にのってくれる自治体もあります。

特に、滞納金額が高額になるほど、支払いの目途が付きにくく混乱してしまうと思いますので、支払い計画や現在の経済状況を保険者と共有し、上記のようなデメリットをなるべく避けるようにしましょう。

また、場合によってはかかっている医療機関での支払いについて、医療機関側とも相談する必要が出てくるかと思います。

保険料だけでなく医療費の支払いも発生すると支払いが難しくなることも容易に想定されますので、互いの支払いをどうするか、医療機関と自治体の間で相談してもらい、解決策を考えてもらうことも方法の一つです。

 

終わりに

保険料を滞納することは、将来の自分自身に大きな不利益をもたらします。

「今は健康だから大丈夫」「病院には絶対にかからない」といった考えは、いざという事態になった時にさらに自分の首を絞める結果になってしまいます。

もし支払いに困ったり、保険料の滞納があって悩むことがあれば迷わずにMSWへ相談してみて下さい。

状況の整理や問題の解決策について一緒に考えてくれることでしょう。

転ばぬ先の杖として、保険料は滞納することなく必ず支払っていきましょう。

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