MSWは普段どんな服で仕事をしているのでしょうか?
病院などの医療機関で患者のために働く医療ソーシャルワーカー(MSW)。
病気やケガなどで生活する上で問題が生じた方に対し、福祉の視点から問題解決を図ろうとする、まさに患者の味方と言える存在です。
そんなMSWは医療機関の中で、一体どんな服装で仕事をしているのでしょうか?
これからMSWになろうとする学生や、転職を考えている人は気になる部分ではないでしょうか?
今回はMSWのユニフォームについて、現役MSWである私が自身の職場や周辺の医療機関で働いているMSWの現状を踏まえてお伝えしていきます。
目次
MSWのユニフォームのあれこれ
世の中には様々な職業がありますが、多くの職業には仕事内容が一目でわかる制服やユニフォームが存在します。
警察官や消防士、工事現場で作業をしている人、果てはアイドルまで、パッと見ただけでその人が何をしている人かがわかります。
制服やユニフォームはその職業に就いていることをアピールするだけでなく、機能面でもその職業に合った内容になっていることが多いのが特徴です。
消防士だと燃えにくく熱に強い素材を使っていたり、バスケットボール選手だと体の動きを邪魔しない最軽量のタンクトップを採用したりなどがその例です。
では、MSWはどうでしょうか?
実は、MSWには明確なユニフォームが存在しないのです!
病院は医者や看護師など、専用のユニフォームを着ている職業だらけですが、ことMSWに関してはそのような規定が存在しません。
では、MSWは普段どんな服装で仕事をしているのでしょうか?
ここでは医療機関で良く採用されている服装を紹介していこうと思います。
やっぱり白衣が多い?
病院と聞いて思い浮かぶ服装と言えば、やっぱり白衣ではないでしょうか?
病院では医師を始め、多くのスタッフが白衣を着ており、病院関係者であることが一目でわかります。
私の職場のMSWも、私含め全員白衣を着て仕事をしています。
近隣の医療機関のMSWも白衣を着て仕事をしているところが多く見受けられます。
ですが、MSWは全員白衣を着ているわけではありません。
後程紹介するように、様々なタイプのユニフォームを着て仕事をしている人もいるのです。
また、白衣と言っても、実はそのタイプは微妙に異なっているので、まったく同じ白衣を着ている職場は意外と見つからなかったりするのが実情です。
白衣のタイプも様々
上記したように、白衣には様々なタイプがあります。
一般的に目にする袖や裾が長い白衣はドクターコートタイプと呼ばれるものです。
学校の理科の実験の時に着た方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ドクターコートタイプも裾が短くジャケットのような形をしているものもあれば、夏用に半袖にしているものもあったりと様々です。
他にはケーシータイプという、首元がピッチリと締まった半袖シャツのように被って着るタイプの白衣もあります。
こちらのタイプも良く見たことがあるのではないでしょうか?
白衣のいいところ・悪いところ
実際に白衣を着て仕事をしていて思うのは、白衣の下には基本的に何を着ても良いというところです。
色が濃いものは白衣に透けてしまいますが、そうでなければ私服の上から白衣を羽織って仕事をすることができるので、着替えがとても楽です。
逆に悪いと思うところは、汚れが目立つところです。
真っ白の服なので、うっかりペンのインクや食べこぼしを付けてしまうととても汚く見えてしまいます。
また、白衣を着ていると医者に勘違いされることも多いのが特徴です。
私もよく面談をする患者・家族に「先生」と呼ばれ、それを何度訂正したか覚えていないくらいです。
カラフルで動きやすいスクラブ
スクラブとは、機能性を重視したユニフォームで、VネックのTシャツのような形をしています。
こちらもドラマなどで見た方がいらっしゃるのではないでしょうか?
スクラブの特徴は丈夫さと、何と言ってもカラーバリエーションの豊富さにあります。
病院=白色というイメージにとらわれない、様々な色を扱っています。
病院によっては職種によってスクラブの色分けを行っているところも少なくありません。
MSWもこのスクラブを着て働いている病院もあります。
デメリットとしては、色が多いために、何色がどの職種なのかがわからないと、誰がどのスタッフなのかがわかりにくいという点です。
また、機能的であるがゆえの薄着なので、冬場に外へ出るととても寒いことが短所と言えるでしょうか。
バッチリとスーツで決める?
これは男性のMSWの場合が多いのですが、ユニフォームが無くスーツで仕事をする病院もあります。
主に事務関係の部署に配属されているMSWはスーツスタイルで仕事をすることが多いのです。
場合によってはスーツのジャケットを白衣に変えて働くという病院もあります。
スーツのメリットはやはり正装ですので、仕事上外出したり他の機関の人と接する時は服装を気にしないで済むところです。
逆にデメリットは、患者・家族と接する時に固い印象を与えてしまう可能性があるということです。
また、スーツなので別の部署の人や他機関の人にうっかり間違えられてしまうことも挙げられます。
女性MSWに多い制服や専用ワンピース
女性の場合、スーツではなく制服や専用のワンピースが支給されるところもあります。
この制服は勤める医療機関の事務職員と同じようなものであることが多いです。
また、専用のワンピースは形が決まっていないので、医療機関ごとで特徴が出ます。
とてもオシャレなワンピースを支給している医療機関もあるので、ファッションに興味のある方は一度いろいろな医療機関を比べてみるのはいかがでしょうか?
意外!?ポロシャツスタイル
医療機関によっては制服がなんとポロシャツというところもあります。
介護系の施設に多いユニフォームですが、色も様々で万人が着れる服装であることに変わりありません。
着心地も良いですし、気軽に着ることができる服装で、意外と良いかもしれません。
欠点としては、ややラフな印象を与えてしまうことがあるので、誠実な態度をよりアピールすることが必要なところでしょうか。
私服のMSWは存在しない!?
上記のように、様々なユニフォームを着てMSWは仕事をしています。
しかし、世の中には仕事中でも私服を着ている人は少なからず存在します。
MSWを見た時、私服で働いている人はまずいません。
これはなぜでしょうか?
それは、患者・家族に対する誠実な対応を求められるところにあるからです。
MSWとして関わる患者・家族は困りごとで心の中がいっぱいな人がほとんどです。
そんな時に、どんなに言葉かけや表情が丁寧であっても、ラフな格好では相手に不快な印象を与えかねません。
ユニフォームや制服はそういった服装による不快感の心配を無くすための機能も持っています。
好みのユニフォームで仕事をするには?
さて、ここまでMSWが様々なユニフォームで仕事をしていることをお伝えしてきました。
中には
「この制服良いなぁ~」
とか
「あのユニフォームで仕事をしてみたい!」
と思うものもあったかもしれません。
しかし、ユニフォームはあくまで所属する医療機関が定めたものであり、MSW側が自由に決めて仕事ができるところは極めて稀なところと言えます。
せっかく就職しても理想の制服で仕事ができない!なんてことが起きないように、以下の2点を気を付けてみましょう。
まずは事前見学をすること!
これから就職や転職を希望する医療機関のMSWがどんなユニフォームで仕事をしているのかを知るには、実際に見学に行くことが一番です。
求人を出している病院であれば、事前に職場の雰囲気を知るために見学を希望することで、どんな服装で仕事をしているのかがわかります。
あらかじめ服装がわかれば、就職してから「思ってたのと違う!」ということはまず起こりません。
複数の医療機関を見学して、服装の違いを見てみるのも面白いかもしれませんね。
ユニフォーム変えはまず味方作りから!
「どうしてもこの病院に就職したい!でもユニフォームが・・・」
と悩む方も中にはいらっしゃるかと思います。
実際に就職してからユニフォームが変わったという医療機関もあることでしょう。
そんな時、MSWの意見を取り入れてもらうには、ユニフォームに関心のある身近な同僚を巻き込み、味方を作っていくことが挙げられます。
例えば、今のユニフォームが気に入らないと思っているならば、自分が着たいと思うユニフォームに変えたいと思うようなメリットを周囲の人に伝え、それに賛同してくれる人をどんどん増やしていくのです。
そうすることで、いつか希望のユニフォームを着ながら仕事ができるようになるかもしれません。
終わりに
ここまでMSWのユニフォームについて着目してお伝えしてきました。
今回解説した主な内容は以下の通りです。
- MSWにはユニフォームの規定が無いので、様々な服装で仕事をしています。
- 服装は白衣やスクラブ、スーツなどがあり、医療機関ごとで異なります。
- 好きな服装で仕事をしたい場合は、事前に情報収集をしましょう。
好きな服装で仕事ができれば、日々の気分も変わります。
もちろん、MSWとしてどんな仕事をしたいかを考えるのが最優先ですが、こういった服装で勤め先を考えてみるのも1つの視点ではないでしょうか。
MSWがどんな服装で仕事をしているのか、少し違う視点で見てみると、また別のものが見えてくることでしょう。