医療ソーシャルワーカー(MSW)は育休がとれる仕事なのでしょうか?

病院内において患者・家族の生活問題に対応するMSWですが、男女比としては女性の方が多い職種となっています。

仕事をする女性にとっては、妊娠~出産~育児の期間を仕事をしながらどう過ごすのかという大きな問題を抱えているのですが、これはMSWにとっても当てはまります。

実際にMSWはどのようにしてこの問題を乗り越えているのでしょうか?

今回はMSWは育休がとれる仕事なのかについて、妊娠~出産~育児の期間に着目して解説していきます。

目次

MSWは育休がとれる仕事なのか?

女性にとって妊娠から出産を経て、生まれた子どもの育児を行うことは人生における大きなライフイベントの一つと言えます。

夫婦仲が良く、子宝にも恵まれ幸せな家庭を築いていくことを夢見ている女性の方は多いのではないでしょうか。

一方、MSWは患者・家族のために日々働いている、病院や患者にとって無くてはならない存在です。

このMSWは女性の比率が多く、結婚した後の妊娠で仕事を続けるかどうかという大きな岐路に立つことになります。

女性としての幸せをとるか、病院や患者のためを思うか、どちらも捨てきれない選択を迫られた時、女性MSWはどのように対応しているのでしょうか?

実際に私の職場のケースをご紹介し、見ていくことにしましょう。

マグナスの職場の場合

私の職場には育児中の人が6人います。上は小学生、下はまだ育休中という人もいます。

基本的にMSWであっても一般企業と同様に産休や育休を取得することは可能です。

実際に、私が入職してから3名のMSWが産休~育休を取得しています。

しかも、現在それぞれ2人ずつ子どもがいますので、私が在籍している間だけで2回ずつ産休・育休を取得しているということになります。

私の職場は福利厚生がしっかりしているとも言えますが、一般的にどの病院であっても産休や育休の所得はできるようになっています。

いつから休みに入る?

MSWが産休に入る場合、病院にも寄りますが、基本的に出産2か月前頃から休みに入るところが多いです。

特にMSWは体を動かす仕事ではないため、業務上の制限も無いのが特徴です。

ただ、妊娠初期に起こるつわりのために仕事が手につかなくなったり、切迫早産のためにやむを得ず休暇を予定より早めにとらないといけなくなることも考えられます。

これはMSWに限らず、どの仕事においても考えられる問題ですので、早めに職場に相談することをオススメします。

育休はいつまでとれる?

通常、産休~育休は事前申請をきちんと行えば制度上最大407日間取得することができます。

ただし、これはかなり申請を早めに行った結果として取得できるもので、実際には業務の引き継ぎ等で取得期間が短くなることが多いのが現状です。

育休は余裕をもった申請を行うことが重要で、バタバタ急いで手続きを行うと良いことはありません。

また、職場によっては人手不足で早めに復帰してほしいと言われるところもあるので、よく職場と相談してお互いが納得する結論を出すようにするのがポイントです。

育休をとる時の注意点

では実際に育休をとる時はどのようなことに気を付けなければならないのでしょうか?

ここではMSWならではのポイントにも重点を置いて解説していきます。

休暇中の引き継ぎをしっかり行う

まずは担当しているケースの引き継ぎを行うことが大切です。

産休・育休中であっても担当している患者の生活は継続しており、その間支援する人がいなくなると大変なことになりかねません。

現在まさに介入しているケースの申し送りはもちろんのこと、今後介入が必要そうな人についても情報共有を行っておくことが大切です。

担当している患者には産休に入ることを説明し、休みの間は誰を頼ればよいのかを伝えておくことや、場合によっては引き継ぎを行った別のMSWとの顔合わせを行ってもらうのもポイントとなります。

職場復帰の目処を伝える

上司や職場の人事担当の部署には、具体的な職場復帰の目処を伝えておくことが重要です。

育休をフルに活用したいのか、早めに終わって仕事を再開したいのかという希望を伝え、最初は大体の期間で構いませんので休みがどれくらい必要なのか伝えましょう。

出産後は様々なことが起こりますので、予定していた育休期間を変更しなければならないことも考えられます。

そのため、適宜職場とは連絡を取り合い、育休期間の具体的な目処が分かれば繰り返しすり合わせを行っていくことが大切です。

保育園の申し込みは忘れずに!

仕事を復帰する時に大切なのは、

【仕事中の育児をどうするか】

ということです。

親族が育児できるのであれば問題ないのですが、頼れない場合は保育園の申し込みは忘れずに行いましょう。

近年、保育士や保育園の数が少なく待機児童が増加していることが問題となっています。

収入のためには予定通り育休を終えたいものですので、育休中には保育園の見学や申し込みを行うようにしましょう。

複数の保育園の見学に行くことで比較ができますし、直接保育園に相談することで受け入れの印象も良くなり、場合によっては優先的に入れてくれた、というケースも耳にしています。

また、保育園に慣れてもらうための慣らし保育をするところもあります。

慣らし保育をする時は短い時間から徐々に延ばしていくようになりますので、必要な場合はその期間のことも考慮に入れておきましょう。

もし担当MSWが育休に入ったら?

さて、もし患者側の立場だった時に担当してもらっているMSWが産休に入ることになったら、どのようなことに気を付けなければならないのでしょうか?

以下にポイントを簡単に紹介しておきます。

新しい担当MSWへこれまでの相談の概要を伝えよう

基本的に患者側が何か配慮をする必要は無く、これまで通り支援を受けてもらうので構いません。

もし、これだけは知っておいてほしいというようなことや、特別に配慮をしてもらいたいことがある場合には、引き継ぎを受けた新しい担当のMSWにこれまでの相談の概要を伝え、上記の伝えたい内容を話しておくと良いでしょう。

直接患者が伝えることでMSW側としてもよりケースの内容を把握しやすくなりますので、効果的な方法と言えます。

担当が変わっても支援の内容は変わらない

担当MSWが変わったとしても、これまで受けていた支援が変わることはありません。

MSWとの関わり方は人によって変わることがあるかもしれませんが、支援の大枠は変わりませんので、その点は安心してください。

もし、思うような支援が受けられないと感じるのであれば、引き継ぎを受けたMSWに、

「引き継ぎ前はこのような対応をしてもらったがそれは可能か」

と相談することは可能です。

引き継ぎ前のMSWが特別に行っていたことについてはできない可能性もあるので、その点を確認しておけば問題ありません。

終わりに

今回はMSWが育休がとれる仕事なのかについて解説してきました。

今回お伝えした内容をまとめると以下のようになります。

  • MSWは基本的に産休~育休を取得することができる仕事です。
  • 産休に入る時はケースの引き継ぎを行い、職場復帰の目処をあらかじめ相談しておきましょう。
  • 担当MSWが産休に入っても、患者側が特別配慮することは無く、受けていた支援も変わりません。

年々、女性の働き方について見直されてきていますが、MSWは柔軟に働き方を変えることができる仕事と言えます。

育休はもちろんのこと、職場復帰してからも安心して働くことができますので、もし迷われている方は以下の記事も参考にしてみて下さい。

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