介護保険で使えるヘルパーさん。

自宅でいろいろなことをしてくれますが、実はできることできないことがあるんです。

ヘルパーを利用する理由は人によって様々ですが、仕事内容はきちんと理解しておく必要があります。

今回は介護保険のヘルパー(訪問介護)について解説していきます。

目次

訪問介護(ヘルパー)の内容とできないこと

ヘルパーができること

訪問介護(ヘルパー)ができる内容は以下の通りです。

  • 利用者の身体介護

まずは利用者に対しての直接的な身体介護です。

食事やトイレ、入浴はもちろんのこと、それに付随する移動や着替えなど、日常生活を営む上で必要な動作の介護を行います。

  • 家事援助

利用者本人が生活に必要な家事ができない場合、その家事を代行することです。

調理や掃除、洗濯や買い物代行など、最低限生活をするために必要な家事を支援してくれます。

  • 通院のための乗降車介助

通院が必要な利用者が移動のために支援を要する場合、車の乗り降りを支援します。

いわゆる介護保険による介護タクシーというもので、要介護1以上の認定が下りた人が対象になります。

ヘルパーができないこと

  • 医療的な行為

ヘルパーは介護福祉士など専門資格をもっている人が従事していますが、基本的に医療的な行為を行うことは認められていません。

血圧を測る、薬を飲んだか声かけをするなど直接医療行為に当たらないことはできますが、専門的な行為は基本的にできないと思っておいた方が良いでしょう。

医療行為の一部は医師等の管理のもと、研修を受けるなどで行えるものもありますが、2017年現在で全国的にそのような研修を受け対応できる人は全体のヘルパー数から見て非常に少ないのが現状です。

  • 日常生活から離れた家事支援

日常生活を営む上で最低限必要な家事以外はヘルパーで行うことができません。

普段使わない居室の片づけや庭の草抜きといった大掃除、家電製品等の買い物代行、ペットの世話等などが代表的な例です。

「ペットは家族」と世話を頼む人もいますが、どんな状況であれヘルパーが世話をすることはできません。

ヘルパーを利用しているとついついあれこれと頼んでしまいがちですが、中にはできないこともあるということを理解する必要があります。

  • 同居家族がいる場合の家事支援

利用者と生活を同じにする家族がいて、その人が家事を行う能力がある場合、日常生活で最低限必要な家事でさえもヘルパーは行うことはできません。

あくまで利用者本人のサポートできる家族が身近にいない場合のみ利用することができます。

例えば高齢夫婦のみの世帯で、どちらも家事を行う能力が全く無いような場合は家事支援を利用できる可能性はありますが、あくまで特例と思っていた方が良いでしょう。

上手なヘルパーの利用方法

では、上手にヘルパーを利用するにはどうすれば良いのでしょうか?

家族がどうしてもできないところをカバーしてもらう

上記のようにヘルパーにできることとできないことを理解することが必要です。

それらを踏まえてヘルパーを利用する時に、上手に活用するような生活を考えましょう。

ヘルパーが介入できるのは1日に30分~1時間程度で、介護度に寄りますが週に数回程度の介入になるのが一般的です。

残りの約23時間は家族が介護をするか、他のサービスを併用することになるのです。

ずっとヘルパーの介護は受けられませんので、どうしてもヘルパーを利用したいことを軸に、サービス計画をケアマネジャーと相談しましょう。

例えばデイサービスを利用して日中の介護を施設へ依頼し、デイサービスから戻ってきた直後の1時間をヘルパー利用でつなぐという方法があります。

夕方に仕事から家族が戻ってくる場合は入れ替わるような形で介護を行うことができます。

逆に朝早く仕事に出る人はデイサービスの準備のためにヘルパーを利用するという方法もあります。

他にも入浴介助のみ依頼する、昼食時に依頼し薬を飲むところを見守ってもらう(見守るだけなら医療行為にならない)という方法も考えられます。

複数のサービスやポイントにあった使い方でヘルパーが効果的に使えるようになるのです。

ヘルパーにできないことは自費サービスを検討

金銭的に余裕があり、ヘルパーがどうしてもできないことをしてもらう必要がある場合には、自費サービスを利用することも1つの方法です。

民間業者の家事援助サービスであれば介護保険外のサービスですので、大掃除やペットの世話なども問題なく行ってくれます。

介護保険サービスと併用することもできますので、介護保険サービスでのヘルパーの利用時間が終わり、その直後に家事援助サービスの人に来てもらって他のことを頼む、なんてことも可能です。

契約さえすれば長時間の介護も可能ですので、上手に活用しましょう。

終わりに

介護保険のヘルパーにできることとできないこと、活用方法を解説しました。

上手に活用すればたとえ病気を抱えていたとしても自宅での生活をうまく続けることができます。

生活スタイルに合わせ、焦点を絞った活用をケアマネジャーと相談して行ってみましょう。

安心した在宅生活を送れるようになりましょう。