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もしも自分ががんで亡くなる時、子どもに何をしますか?

人の死はとても悲しいことで、それが家族である場合はなおのこと悲しみが増えることと思います。

特に、小さな子どもを抱えている親が亡くなるとした時、子にどのように接するべきか悩むこともあるでしょう。

がんになり、いよいよ死の時が近づいている親は、子に対してどのようなことをしてあげれば良いのでしょうか?

今回は子どもを持つがん患者が終末期に取るべき行動や、子への伝え方について解説していきます。

終末期の家族と子ども

死に対する様々な不安と喪失感

死に直面した家族は様々な不安や喪失感に対処しなければならなくなります。

例えば、いつ亡くなるかという不安や、死が近づいた時に出てくる症状に対する不安、死が家族に与える影響や死後の世界のことなど様々です。

これらの不安に加え、小さい子どもを持つ親ががんによって死に直面した時、以下のことが不安要素として追加されるようになります。

  • 若くしてがんになったことへの苦悩

小さい子どもがいる親ががんになる場合、年齢はまだまだ働き盛りの頃と言えます。

家族や仕事はもちろんのこと、趣味や自らの外見、経済面のことなど若年ならではの悩みや不安が出てくるのです。

早くして死を迎えるということが与える不安は、高齢でがんになる人以上のものになることが多いとされています。

  • 子どもを持つ親としての不安

自身が亡くなった後の子どものことに対する不安は自身が親でないと出てこない問題です。

死後の生活のことはもちろんのこと、まだ子が幼い時期に親を亡くすという体験をさせてしまう苦悩は、特有の悩みであると言えるでしょう。

子の将来への影響を考えた時の不安から、混乱や死への恐怖心を抱くこともあります。

  • 患者が亡くなる時の家族の不安

患者が亡くなることに対する家族側の不安も大きな要因として考えられます。

例えば父親ががん患者の場合は妻が今後の収入のことを心配したり、逆に母親が患者の場合は夫が家事等をどうするかという不安を抱くようになります。

また、患者が若年であれば両親が健在なこともあり、残された患者の子=両親から見て孫の養育をどうするかという課題も出てきます。

終末期にありがちな子どもへの接し方

上記のような様々な不安を解消することはとても力が必要なことで、親である大人は精一杯な状況になります。

そのような状況では肝心の子に対する接し方が以下のようにおざなりになってしまいがちです。

  • 親の状況が良くないのは何となくわかっていることだろう
  • 子どもからは何も聞いてこないから・・・
  • 学校や部活が忙しそうだから・・・
  • テストや試合があるから・・・
  • 連れてきても騒ぐ・ゲームをしているから連れてきません

このような思いを持つ背景には、子どもに対し心配や辛い思いをさせたくないという心情が働いています。

しかし、親の生死にかかわる大切な時期に、子が関われないということが果たして良いことでしょうか?

実はここに、終末期の親を持つ子への接し方のヒントが隠されているのです。

子どもは子どもなりに状況を理解しようとしている

先程の「子どもに対し心配や辛い思いをさせたくないという心情」は、実は子どもを“死”から遠ざけ、事態の蚊帳の外に出してしまうという問題があります。

子どもは子どもなりに状況を理解しようと必死なのですが、親や家族である大人がそれを妨げてしまうのです。

その結果、子どもは親が突然死んでしまったというショックや、自分だけ親の病気を知らなかったという疎外感を感じてしまうことになりかねないのです。

状況を子どもに伝えたくないという親の気持ちは紛れもなく当然の心理であると言えます。

しかし、同時に子どもも家族であり、子の思いも誰かが受け止めなくてはならないのです。

子どもから親の病気や死のことを話すことはとても難しく、「話さない」のではなく「何をどう話したらいいかわからない」「親の病気や死について話してもいいのかわからない」という状況が潜んでいるのです。

親の終末期に取るべき子どもへの接し方

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大人と子どもが持つ情報量を同じにする

では、親が終末期となった時に取るべき子どもへの接し方とはどのようなものなのでしょうか?

まずは、大人と子どもが持つ情報量を同じにすることです。

大人である親や家族は医師からの病状説明や取り巻く環境について十分理解し、また、理解するための情報量を得ることができます。

しかし、子どもは上述したような「蚊帳の外」に出された状態であれば親の状況すら知らないという事態になってしまいます。

子どもであっても親のことを考えることは家族として当然のことであり、それを妨げることは子の精神的な成長をも妨げることにもつながってしまいます。

もちろん、大人と同じ説明を受けても子どもは理解が追いつかないことが多いのですが、子どもが理解できるように大人が噛み砕いて伝えることで、子どもも理解し、親の病気や死に向き合い対処できるようになるのです。

病気や死について話せる環境を作る

上記の通り、子どもも親の病気や死について必死に考えています。

ただ、子どもの理解力では正しく状況を飲み込めなかったり、間違った解釈をしてしまったりすることが考えられます。

場合によっては、「自分は何もできなかった」という無力感や、病気や死に対する強い恐怖心、トラウマになってしまうことも起こり得ます。

このような状況になってしまうからこそ、子どもと病気や死について話せる環境を大人が作ることが大切と言えます。

子どもは思いを話すことで大人からの疎外感が払しょくされ大人は子どもが何を思っているのかを知ることができます。

子との対話の中で間違った解釈をしている部分については、親への愛情表現から来ているものと思い、頭ごなしに否定をせず受け止めることが大切です。

そのうえで、患者がどういう状況なのかをわかりやすく説明することで、正しい理解を子どもも持つことができるようになります。

死について子どもにきちんと説明し、どんな反応も受け止める

いよいよ親が死んでしまうという時には、子どもに死についてきちんと説明をする必要があります。

「遠いところに行く」「お星さまになる」というような表現は、子どもの年齢によっては余計に混乱を招くことにもつながりかねません。

「死」ということがどういうものなのか、抽象的な概念ではなく、会話ができない、体が冷たくなるなどといった具体的な変化を伝えることが大切です。

その結果として、子がどんな反応をしたとしても受け止めてあげることが大切です。

子どもに対して心から誠実な対応をする

子どもは言葉での説明だけでは理解が難しく、非言語の情報から判断する方が理解しやすいです。

つまり子どもは何を言われたかという内容ではなく、どんな表情・声のトーン・環境で言われたかを重視しているのです。

無表情で淡々と死ぬことを説明されるのと、たとえ大人が泣きながら、伝えたいことのすべてを伝えきることができなくても誠実に接するのとでは理解度がかなり変わってきます。

すべてを伝えきらなくても、子どもは大人以上に空気を読むことができるのです。

また、子どもに伝える時は必ず悪いことだけでなく、親である患者の頑張りや子どもが今できることなどといった前向きな情報も伝えるように心がけましょう。

また、わからないことははっきりわからないと伝えることも大切です。

このような誠実な対応が、子どもの成長を促し、心を救うことになるのです。

 

終わりに

いかがでしたでしょうか?

今回解説した内容をまとめると以下のような内容になります。

  • 死に直面した家族は様々な不安や喪失感に対処しなければならなくなる
  • 子どもが状況を理解しようとするのを大人が妨げてしまいがちになる
  • 大切なことは子どもも家族であり、患者を思う権利がある
  • 子どもが死を受け止められるために大人が工夫をする必要がある

親の死を子に隠すことはできません。

大切なのは、親が亡くなること・亡くなったことを誰かに話せる環境を作ることで、子どもが一人で悲しんだり抱え込んだりしなくて済むようになるということです。

もし子どもへの伝え方に悩む場合は、最寄りのがん相談支援センターやMSWへ相談してみて下さい。

一人で抱え込まずに相談してみましょう。

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